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飛行機代を劇的に下げてくれた「LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)」。しかし、なぜLCCはあれほど安く運航できるのか、

そして、従来の「レガシーキャリア(Legacy Carrier:大手航空会社)」とは今後どのように棲み分けていくのでしょうか。

今回は、LCCのビジネスモデルの舞台裏に迫りながら、両者の未来の展望を解説します。

1. 🤫 LCCの舞台裏:「安さ」を実現する徹底した合理化戦略

LCCが従来の航空会社(レガシーキャリア、例:JAL、ANA、デルタ航空など)と比べて安価な運賃を提供できるのは、徹底したコスト削減戦略に基づいています。

① 「単純化」と「統一化」

  • 単一機種の採用: LCCの多くは、同一機種(例:ボーイング737やエアバスA320など)に統一して運用します。これにより、パイロットや整備士の訓練、部品在庫の管理がシンプルになり、運用コストが大幅に削減されます。
  • 座席数の最大化: 機内の座席間隔を狭くし、客室設備を簡素化することで、一機あたりの搭乗人数を増やし、収益率を高めます

② 「付加サービス」の有料化

  • アンバンドリング: 飲食物、座席指定、預け入れ手荷物など、レガシーキャリアでは運賃に含まれているサービスをすべて有料化(アンバンドリング)し、必要な人だけが支払う形にしています。

③ 運航効率の最大化

  • 短いターンアラウンドタイム: 空港での機体の停留時間(ターンアラウンドタイム)を極限まで短くし、一日に飛ぶ回数を最大化することで、機体の稼働率を高めています。

2. 🤝 LCCとレガシーキャリアの「住み分け」戦略

価格競争でLCCが優位に立つ一方、レガシーキャリアはLCCには真似できない領域で差別化を図り、明確な住み分けが進んでいます。

特徴LCC (格安航空会社)レガシーキャリア (大手航空会社)
主な提供価値低価格と単純な移動快適性、サービス、信頼性
路線・ネットワーク単一の短距離〜中距離直行便が中心世界各地を結ぶ長距離路線網、ハブ経由の乗り継ぎ
サービス有料、機内エンタメなし、食事なし無料サービスが充実、上級クラス(ビジネスクラスなど)を提供
コスト徹底的に抑制高品質なサービス維持のため高め
顧客層価格重視の個人旅行者サービス・信頼性重視のビジネス客、団体客

現在、レガシーキャリアは、長距離路線や世界的なネットワーク、上級クラスの快適さやきめ細やかなサービス(マイレージプログラムなど)を強みとし、LCCは短距離・中距離の**「点と点」の移動**で価格優位性を保っています。

3. 🔭 航空市場の「今後の展望」と進化

この二極化は、さらに以下の形で進化していくと予想されます。

① LCCの「ハイブリッド化」

付加価値の高いサービスを提供し、レガシーキャリアに近づくLCC(例:長距離LCCや、より快適な座席を提供)が増えるなど、両者の中間に位置する**「ハイブリッドキャリア」**が増加傾向にあります。

② レガシーキャリアの「グループ化」

レガシーキャリアは、競争力のない短距離路線やレジャー路線を、LCCの子会社(例:JALのZIPAIR、ANAのPeachなど)に任せることで、グループ全体でコスト競争力を高める戦略を進めています。

③ 地方路線の活性化

LCCは、レガシーキャリアが採算を取れない地方空港への就航に積極的です。これにより、地方への旅行需要を掘り起こし、地域経済活性化の担い手としての役割も期待されています。


📝 まとめ

LCCの成功の裏側には、徹底した合理化とコスト削減があり、レガシーキャリアとの住み分けは、今後も価格帯やサービスレベルによってさらに明確化していくでしょう。

賢い旅人は、目的に応じてLCCとレガシーキャリアを使い分けることで、旅の選択肢を無限に広げることができます。

Post date : 2025.11.13 16:47