主に旅について、それから色々
――「感情論」で片づけてはいけない理由
大阪都構想の反対派は、しばしばこう語られてきた。
「既得権益を守りたいだけ」
「変化を恐れているだけ」
だが、これはあまりにも雑な理解だ。
実際の反対論を整理すると、そこには一貫した不安の構造が見えてくる。
最も象徴的だった反対理由はこれだ。
「大阪市が消えるのは耐えられない」
これは制度論ではなく、アイデンティティの問題である。
大阪市は130年以上の歴史を持つ自治体だ。
「大阪市民」という言葉には、単なる住所以上の意味がある。
これらが「区」に再編されることを、
格下げと感じた人がいたのは事実だ。
反対派の多くは、
「合理性」ではなく「誇り」を失うことを恐れていた。
次に多かったのが、極めて実務的な懸念だ。
「本当に今より良くなるのか?」
「区に任せて、逆にバラバラにならないか?」
特に高齢者層にとっては、
制度変更=生活の不安定化を意味する。
ここで問題だったのは、
賛成派の説明が「将来的な効率化」に寄りすぎ、
目の前の安心感を十分に提示できなかった点だ。
正直に言えば、
大阪都構想は「普通の人が一度聞いて理解できる制度」ではなかった。
これを短期間で理解し、
しかも「賛成か反対か」を迫られる。
結果として多くの人が選んだのは、
「よく分からないから、今のままでいい」
これは日本社会では、極めて自然な選択だ。
重要なのはここだ。
反対派の多くは、
改革そのものに反対していたわけではない。
この不安を解消できなかったことが、
二度の否決につながった。
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