むるむる ブログ

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――「感情論」で片づけてはいけない理由

大阪都構想の反対派は、しばしばこう語られてきた。
「既得権益を守りたいだけ」
「変化を恐れているだけ」

だが、これはあまりにも雑な理解だ。
実際の反対論を整理すると、そこには一貫した不安の構造が見えてくる。


① 「大阪市がなくなる」ことへの心理的抵抗

最も象徴的だった反対理由はこれだ。

「大阪市が消えるのは耐えられない」

これは制度論ではなく、アイデンティティの問題である。

大阪市は130年以上の歴史を持つ自治体だ。
「大阪市民」という言葉には、単なる住所以上の意味がある。

  • 市歌
  • 市立大学(当時)
  • 市のブランド力

これらが「区」に再編されることを、
格下げと感じた人がいたのは事実だ。

反対派の多くは、
「合理性」ではなく「誇り」を失うことを恐れていた。


② 行政サービス低下への現実的な不安

次に多かったのが、極めて実務的な懸念だ。

  • 保育
  • 医療
  • 福祉
  • 窓口サービス

「本当に今より良くなるのか?」
「区に任せて、逆にバラバラにならないか?」

特に高齢者層にとっては、
制度変更=生活の不安定化を意味する。

ここで問題だったのは、
賛成派の説明が「将来的な効率化」に寄りすぎ、
目の前の安心感を十分に提示できなかった点だ。


③ 制度が難しすぎた問題

正直に言えば、
大阪都構想は「普通の人が一度聞いて理解できる制度」ではなかった。

  • 特別区とは何か
  • 府と区の権限分担
  • 財源調整の仕組み

これを短期間で理解し、
しかも「賛成か反対か」を迫られる。

結果として多くの人が選んだのは、

「よく分からないから、今のままでいい」

これは日本社会では、極めて自然な選択だ。


反対派は「改革反対」ではなかった

重要なのはここだ。

反対派の多くは、
改革そのものに反対していたわけではない

  • 説明が足りない
  • 変化のリスクが見えない
  • 本当に得をする実感がない

この不安を解消できなかったことが、
二度の否決につながった。

Post date : 2026.01.17 18:23