むるむる ブログ

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海がない国、「内陸国」

日本のように四方を海に囲まれ、島そのものが観光資源になっている国から見ると、

「リゾートも作れないし、観光では不利なのでは?」

と感じがちです。
しかし、世界を見渡すと、内陸国=観光弱者 ではありません。
むしろ「海がないからこそ光る」観光戦略で成功している国がいくつもあります。

今日はそんな “内陸国と観光” をテーマに、
魅力・課題・成功パターンまで、分かりやすく整理してみます。


■ 内陸国にとって「観光が難しい」と思われる理由

まず一般的にイメージされる弱点はこれ。

① 海がない → ビーチリゾートが作れない

世界の観光市場では、
ビーチリゾートは圧倒的な強者ジャンル。
ハワイ・モルディブ・バリ・プーケット……
“海のブランド力”は絶大です。

内陸国は、それが使えません。


② アクセスが不便になりやすい

内陸国は“他国を通らないと来られない”のが基本。
そのため、

  • 直行便が少ない
  • 乗り継ぎ必須のケースが多い
  • 国境管理の影響を受けやすい

という現実があります。

例えば中央アジアやアフリカの内陸国では、
「来るまでがすでに冒険」 という場所もまだまだあります。


③ 物流コストが高い → 観光産業コストも高い

国内観光はグローバル産業でもあるため、
宿泊・食材・設備・建材など、多くが輸入依存。

  • 物価が高い
  • ホテル建設コストが高い
  • 観光インフラ整備にお金がかかる

結果として、観光開発が進みにくい国もあります。


■ それでも「観光大国」になった内陸国は多い

では、内陸国は本当に不利なだけでしょうか?
答えは NO

ここからは、
「内陸国なのに世界に名を轟かせた観光成功例」を見ていきましょう。


■ ① スイス:内陸国の“理想形”

✨ 観光ブランド力:世界トップクラス

  • 海の代わりに アルプス
  • スキー、登山、トレッキング
  • 絶景の鉄道
  • 高級リゾート・富裕層観光

むしろ 「海が無いなんて誰も気にしていない」 レベル。

スイスは、
「内陸国=自然が豊富」「国境の交差点=文化の交じり場」
という特徴を最大限に活かし、
“山岳観光”という世界的ジャンルをほぼ完成させた国 です。


■ ② オーストリア:文化と歴史の内陸ブランド

  • ウィーンという世界都市
  • 音楽・芸術の都
  • 中欧観光の中継拠点
  • 鉄道アクセス抜群

海がないどころか、
「海?なくても困ってませんけど?」
と言い切れる成功モデル。


■ ③ ネパール:世界の登山客を引き寄せる国

  • エベレスト
  • トレッキング
  • 冒険観光

観光客の目的は 海水浴ではなく“人生で一度の体験”
海は提供できなくても、
「唯一無二の体験」が提供できるなら、観光は成立する好例です。


■ ④ ボツワナ・ルワンダ:アフリカの“静かな勝ち組”

海なしアフリカの内陸国は厳しい——
そんなイメージを覆したのがこの国々。

● ルワンダ

  • ゴリラトレッキング
  • 「安全で整備されているアフリカ」というブランド
  • 高付加価値観光戦略

● ボツワナ

  • サファリの最高峰
  • 富裕層観光
  • 質の高い自然保護

彼らは

“大量観光ではなく、高品質観光”

という戦略で成功しました。


■ ⑤ ウズベキスタン:歴史観光の復活

  • シルクロード都市サマルカンド・ブハラ
  • イスラム建築の宝庫
  • 観光開発が進行中

「海がない」代わりに、
“歴史という時間資源” をブランド化したパターンです。


■ 内陸国の観光は「何で勝負するか」がハッキリしている

ここまで見ると、

海がないからこそ、
“何を強みにするか”が極端にクリアになる。

と言えます。

内陸国が得意とする観光ジャンルはだいたい決まっています。


■ 内陸国が強くなりやすい観光ジャンル

  • 山岳・自然観光(スイス・ネパール)
  • 歴史・文化観光(ウズベキスタン・オーストリア)
  • サファリ・自然保護系(ボツワナ・ルワンダ)
  • 鉄道・周遊旅行(中央ヨーロッパ)
  • 体験型・冒険観光

つまり、
「消費する観光」より「体験する観光」に強い のが内陸国。


■ では課題は何か?

もちろん課題もあります。

● ① アクセス

→ 空港整備
→ 乗り継ぎの利便性
→ ハブとの連携


● ② 国境と政治安定

内陸国は必ず「隣国依存」になるため、
外交と安全保障は観光に直結。

特に中央アジアやアフリカでは、
「行けるかどうか」が観光条件になる現実があります。


● ③ マーケティング力

“海リゾート”はそれだけで想像できる観光商品ですが、
内陸国はコンセプト設計が必要。

  • 世界にどう見せるか?
  • どの市場を狙うか?
  • 何を「看板商品」にするか?

ここが成否を分けます。


■ 結論:内陸国は観光では「不利」ではない。むしろ…

内陸国の観光は確かに簡単ではありません。
しかし、

  • 海がなくても観光は作れる
  • むしろ 「唯一性の観光」を作りやすい
  • “体験価値” で勝負する国が強い

これが現実です。

そして実は──

「海リゾートは代替が効くが、
スイスの山やネパールの体験は代替が効かない」

観光の本質はそこにあります。


■ 余談:日本は内陸国から何を学べる?

日本は海が強みですが、
世界の観光潮流は

「自然 × 体験 × 物語」

へ移っています。

内陸国の観光戦略は、
“資源が限られていても強くなれる”という好例。

  • 一点突破型観光
  • 高付加価値観光
  • 物語としての観光ブランド

これらは日本の地方観光にも、そのまま応用できます。

Post date : 2026.01.23 21:47