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――「首相を生む県」は偶然ではなく、構造の産物だ

「また山口県か」という違和感

歴代首相を振り返ると、
山口県出身の名前が何度も出てくる。

岸信介、佐藤栄作、安倍晋三。
確かに多い。

すると、こうした疑問が出てくる。
なぜ他県では、同じことが起きないのか?

結論から言えば、
山口県は「特別」なのではない。
他県が真似できない条件が、偶然にもすべて揃っているだけだ。


条件①:中央直結の政治文化は、後から作れない

山口県(旧・長州藩)は、
明治維新の勝者側だった。

その結果、

  • 官僚
  • 政界

この三点セットへの直通ルートを持った。

これは努力ではなく、歴史の初期条件だ。
他県が今から同じ文化を作ることは、ほぼ不可能に近い。

地方でありながら、
「地元で完結しない政治」をする感覚。
これがまず、他県と決定的に違う。


条件②:選挙区が“異常なほど”安定している

首相になるために必要な能力は多いが、
最低条件は一つしかない。

選挙に落ちないこと。

山口県の選挙区は、

  • 保守地盤が強固
  • 野党が育ちにくい
  • 地元の結束が強い

これは偶然ではない。

「総理候補を守る」という意識が、
地元全体に共有されている。

多くの県では、

  • 派閥争い
  • 地元分裂
  • 内輪の足の引っ張り合い
    で、有望株が潰れる。

山口では、それが起きにくい。


条件③:派閥政治との相性が良すぎる

自民党という政党は、
理念よりも人数と安定供給で動く組織だ。

  • 派閥は票を出す
  • 見返りにポストを得る
  • 長く生き残った者が上に行く

山口県出身議員は、

  • 落選リスクが低い
  • 派閥内で安定して存在し続ける
  • 結果として、総裁候補に育つ

これは能力以前に、
生存率の問題だ。

他県では、ここで脱落する人が多すぎる。


条件④:「前例」が次を生む自己増殖構造

一度首相を出すと、何が起きるか。

  • 地元が「次も出せる」と思う
  • 中央も「扱い慣れている」と認識する
  • 有望な人材が集まりやすくなる

完全な正のフィードバックだ。

これは陰謀ではない。
人間社会の自然な動きだ。

だが、最初の一回がなければ始まらない。
他県は、このスタート地点に立てていない。


なぜ東京・大阪・愛知では再現できないのか

人口が多い県なら可能では?
そう思うかもしれない。

だが大都市圏は、

  • 政治的利害が複雑
  • 支持層が分散
  • マスコミの影響が強い

結果、
一人の政治家を長期で育てる土壌がない。

スターは生まれるが、
「総理向けの人材」は育たない。


これは是か非か、という話ではない

重要なのは、
「山口県がズルい」とか
「特別扱いされている」という話ではない。

これは、
👉 日本の政治システムがそうなっている
というだけの話だ。

そして、その構造は、
簡単には変わらない。


まとめ:再現できないのは、能力差ではない

他県から首相が出ない理由は、

  • 人材がいないからではない
  • 努力が足りないからでもない

構造が違うからだ。

山口県は、

  • 歴史
  • 選挙制度
  • 党内政治
  • 前例の積み重ね

このすべてが、
偶然にも噛み合っている。

だからこそ、
「また山口県か」という現象が起きる。

これは偶然ではない。
構造の帰結だ。

Post date : 2026.01.28 23:56