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「日本のパスポートは世界最強」

海外旅行の話題になると、ほぼ必ず聞くフレーズだ。 実際、日本のパスポートは多くの国でビザなし渡航が可能で、 ランキングでも常に上位にある。

だが、ここで一度立ち止まりたい。

それは本当に“最強”なのか?

本記事では、

  • ビザとは何か
  • なぜ日本人はビザで優遇されてきたのか
  • その強さは今も続いているのか

を、感情論ではなく制度と国際関係の構造から整理する。


結論:日本のパスポートは「最強だった」が、永遠ではない

最初に結論を述べる。

日本のパスポートは、 長年“極めて強力”だった。 しかし、それは固定的な地位ではない。

ビザ免除は「信頼の結果」であり、 信頼は国際環境によって常に変動する。


ビザとは何か?(超基本)

ビザとは、

外国人が自国に入国してもよい、という事前許可

である。

重要なのは、 ビザは「旅行者の権利」ではなく、

受け入れる側の都合で与えられる特権

だという点だ。


なぜ日本人はビザ免除されやすいのか

理由は主に4つある。

① 不法滞在・不法就労が少ない

多くの国がビザで警戒するのは、

  • 不法就労
  • そのまま居座る移民化

日本人はこのリスクが極めて低いと見なされてきた。


② 国としての信用

  • 戦後の国際協調路線
  • 安定した政治体制
  • OECD先進国

これらが

「日本人はルールを破らない」

という評価につながっている。


③ 外交カードとしての観光

ビザ免除は、

「相手国の観光客を呼び込みたい」

という経済的動機でもある。

日本人は

  • 滞在中に金を使う
  • トラブルが少ない

“理想的観光客”と見なされてきた。


④ 相互主義

国際社会では、

「こちらが免除するから、そちらも免除してほしい」

という交換関係が基本だ。

日本は多くの国に対し、 比較的寛容な入国制度を取ってきた。


パスポートランキングの正体

よく引用される 「パスポートランキング」は、

  • ビザなし
  • 到着時ビザ
  • 電子渡航認証

を含めた数の合計にすぎない。

つまり、

「自由に住める国の数」

ではない。

ここを誤解すると、 「最強」という言葉が独り歩きする。


実は弱い場面もある、日本のパスポート

① 長期滞在・就労は別問題

  • ビザ免除=短期観光のみ
  • 就労・留学は厳格審査

これは欧米諸国も同じだが、

「住める自由」とは無関係

である。


② 国際情勢の影響を受けやすい

  • 感染症
  • 紛争
  • 外交摩擦

が起きると、 ビザ免除は一時停止される。

実際、 コロナ禍では 日本人も一斉に締め出された


③ 電子渡航認証の増加

近年、

  • ESTA(米国)
  • ETIAS(EU)

など、

事実上の事前審査

が増えている。

「ビザなし=完全自由」ではなくなっている。


日本のパスポートが強かった本当の理由

それは、

日本人が海外に移住しなかったから

という皮肉な事実でもある。

  • 国内市場が大きい
  • 言語障壁が高い
  • 海外志向が強くない

この“内向き性”が、

「外に出ても帰ってくる人たち」

という評価を生んだ。


これから日本のパスポートはどうなるのか

短期的には、

依然として強い

だろう。

しかし長期的には、

  • 国力低下
  • 人口減少
  • 国際影響力の相対的低下

が、 ビザ政策にも反映されていく可能性はある。


まとめ:「最強」とは何を指すのか

日本のパスポートは、

  • 観光という文脈では
  • 極めて使いやすい

だが、

それは「信用の預金残高」

であり、 自動的に保証されるものではない。

もし海外に出るなら、

  • なぜビザが不要なのか
  • なぜ時に必要になるのか

を知っておくことは、

世界を見る解像度を上げる

ことにつながる。

パスポートの色や順位より、

その裏にある国の評価

を意識したい。

Post date : 2026.02.08 10:36