鉄道も船舶も、電動化によって従来の機械式駆動から解放され、「エネルギーの柔軟な利用」が可能になることで、効率が向上します。
1. エンジンを発電に特化させる
- 鉄道(シリーズハイブリッド): ディーゼルエンジンを発電専用とし、最も燃料効率の良い定格回転数で運転し続けます。走行に必要な電力は、この発電機とバッテリーから供給されます。
- 船舶(電気推進): 大型ディーゼルエンジンを発電専用とし、常に最高の効率点で稼働させます。これにより、船速や負荷変動に影響されず、エンジンの燃費性能を最大化できます。
2. 推進の柔軟性と高効率化
- 鉄道: モーター駆動のため、変速機が不要となり、強力なトルクを効率良くレールに伝えることができます。
- 船舶: モーター駆動のアジマススラスターが360度回転し、推進力を最適な方向に向けるため、従来の舵と固定プロペラよりも推進効率が高くなります。
3. エネルギーの統合管理と再利用
- 鉄道: 回生ブレーキによって減速時のエネルギーをバッテリーに回収し、加速時に再利用します。
- 船舶: 船全体の電力系統を統合管理することで、推進力だけでなく、船内空調や照明に必要な電力を最適に供給し、**エンジンの排熱(廃熱)を有効利用(コジェネレーション)**しやすくなります。
結論として、船舶の電動化も鉄道のハイブリッド化も、エネルギー源(エンジン)と駆動輪/プロペラを電気で切り離し、システム全体の効率を最適化するという点で、同じ高い効率化の恩恵を受けているのです。
Post date : 2025.11.18 16:24