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私たちが慣れ親しんだ「空飛ぶ筒」の常識が、今、劇的に変わろうとしていることに興奮を隠せません。

飛行機といえば、細長い胴体と両翼を持つ、あの見慣れた「チューブ・アンド・ウィング」の形。この基本構造は、ジェット旅客機が誕生してから70年近く、ほとんど変わっていません。

しかし今、航空業界の巨人であるエアバスが、この常識を根底から覆す次世代機「ブレンデッド・ウィング・ボディ(BWB)」の開発を本格化させています。

その形状は、まるでSF映画から飛び出してきたかのよう。これが実現すれば、私たちの空の旅は、燃費効率だけでなく、機内の過ごし方まで一変するでしょう!


1. 🔀 「空飛ぶ筒」はもう古い?BWBが常識を覆す形状

ブレンデッド・ウィング・ボディ(BWB)とは、その名の通り、機体の胴体(ボディ)と主翼(ウィング)が境目なく滑らかに融合した、三角形に近い構造を持つ機体のことです。

エアバスが開発を進める技術実証機は「MAVERIC(マーベリック)」と呼ばれています。

なぜこの形が必要なのか?

現在の筒型の飛行機は、胴体と翼の接合部で空気抵抗(抗力)が発生しやすく、これが燃費の悪化につながります。

MAVERICが採用するBWB構造は、まるで魚や鳥のように、空気を切り裂くのに最適な形状をしています。この結果、従来の機体に比べて空気抵抗を大幅に低減できるのです。


2. 💰 20%の燃費削減!BWBがもたらす三つの革命

BWBは、単に見た目が未来的なだけでなく、航空業界が直面する二大課題「環境負荷」と「騒音」を解決する切り札として期待されています。

革命①:驚異的な燃料効率(最大20%削減)

最も注目されるのが、その経済性です。エアバスのシミュレーションでは、BWBが従来の飛行機と比べて最大で約20%の燃料消費を削減できる可能性が示されています。

航空会社の最大のコストは燃料費です。この20%という数字は、運賃の低減や、地球温暖化対策に直結する、まさにゲームチェンジャーな性能と言えます。

革命②:劇的な騒音の低減

BWBの設計では、エンジンを主翼ではなく、機体の上部中央に配置します。

これにより、エンジンから出る騒音が地表に向かって直接伝わるのを機体自体が遮断(シールド)してくれます。離着陸時の地上への騒音影響が大幅に軽減され、空港周辺住民への負荷が小さくなることも大きなメリットです。

革命③:機内空間の「常識破壊」

細長い筒状の機内では、通路と座席の配置に限界がありました。しかし、BWBの広大な中央部は、全く新しい機内空間の可能性を秘めています。

  • 広大なキャビン: 胴体の横幅が広くなるため、座席配置を自由に設計できます。
  • プライバシーの向上: 個室のような新しい座席デザインや、より充実した共用スペースの設置も可能になります。

3. 📝 MAVERICの実証実験が証明したもの

エアバスは、このブレンデッド・ウィング・ボディの概念が机上の空論ではないことを証明するため、2019年から小型の技術実証機MAVERICの飛行試験を実施しています。

  • 目的: 独特な形状を持つMAVERICが、低速から高速まで安定して飛行できるか、そしてBWB特有の操縦特性や空気力学的なデータを取得すること。

これらのテストによって、BWBのコンセプトが実用的な航空機の基盤として成立することが確認されており、エアバスは今後、この技術を未来の旅客機にどう応用していくか検討を進めています。


4. ✨ まとめ:ブレンデッド・ウィング・ボディが創る新しい空の旅

私たちが乗る飛行機は、今後数十年で、現在の形を大きく変えることになるでしょう。

このBWB機が実用化されれば、「燃費効率の向上による持続可能な運航」と、「広くて静かな、快適性の高い機内」が両立します。

丸くない飛行機が、環境にも乗客にも優しい、新しい空の旅の時代を作り出す日を楽しみに待ちましょう!

Post date : 2025.12.04 17:48