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今回は、世界的な大都市ロンドンの心臓部であり、ヨーロッパの空の交通を支配する超巨大ハブ空港、「ヒースロー空港(Heathrow Airport / LHR)」に迫ります!
ヒースローは、その利用者数と国際線の多さから、しばしば「世界で最も重要な空港の一つ」と称されます。なぜこれほどまでにヒースローは世界から求められるのか?その戦略的な重要性と、常に抱える課題について深掘りします。
ヒースロー空港は、単にロンドンへの玄関口であるだけでなく、ヨーロッパ大陸と世界(特に北米、アジア)を結ぶ、巨大な乗り継ぎ(トランジット)拠点としての役割を担っています。
コロナ禍以前、ヒースロー空港は国際線旅客数で常に世界トップクラスにランクインしていました。これは、ヒースローが単なる出発地・目的地ではなく、「世界中を繋ぐハブ」として機能している証拠です。
ヒースローは、イギリスのフラッグキャリアである**ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)**のメインハブ空港です。BAはここを拠点に、世界数十カ国、百以上の都市にネットワークを広げています。
ヒースロー空港は、元々5つのターミナル(T1は閉鎖)がありましたが、現在は主にT2、T3、T4、T5の4つのターミナルで運用されています。中でも、2008年にオープンしたターミナル5(T5)は、ヒースローの効率を劇的に変えました。
T5は、BAとその提携航空会社(主にイベリア航空)専用のターミナルとして建設されました。
T5がBA専用であるのに対し、T2は主にスターアライアンス加盟航空会社(ANAなど)が使用するターミナルです。各ターミナルがアライアンス(航空連合)ごとに区分けされているため、乗り継ぎの利便性が高められています。
JAL等が使用するターミナルです。ワンワールド加盟航空会社などが使用します。
実際に使った経験から言うと、とても天井が低い。エアサイドにるセキュリティチェックが普通にあるが、航空機にのる直前の搭乗待機エリアに入るのに、またセキュリティチェックがあり、一旦入ると出られない上にトイレが無い。という、あんまりな構造。
現在は改良されているのかもしれませんが、できればもう使いたくないターミナルでした。
ヒースロー空港はロンドンの中心部から西に約23kmと比較的近い位置にあり、市内へのアクセス手段が非常に発達しています。
空港とロンドン中心部のパディントン駅を、途中の停車駅なしでわずか15分で結ぶ特急列車です。料金は高めですが、圧倒的な速達性でビジネス客に重宝されています。
ロンドン地下鉄のピカデリー線がヒースロー空港の各ターミナルに乗り入れています。時間はかかりますが、最も安価でロンドン市内各所へ直接アクセスできる手段です。
2022年に開通したエリザベス線は、ヒースローからロンドン中心部を横断し、東部までを結びます。速達性と停車駅の多さを両立し、地下鉄とエクスプレスの中間的な役割を担う、最新のアクセス手段です。
ヒースロー空港は、その重要性にもかかわらず、長年にわたり**「容量不足」**という深刻な課題を抱え続けています。
ヒースローには、現在2本の滑走路しかありません。パリのシャルル・ド・ゴールやアムステルダムのスキポールなど、競合するヨーロッパのハブ空港が3本以上持つ中で、これは大きなネックです。
発着枠(スロット)が非常に貴重で、航空会社間の競争が激しくなる要因となっています。
この容量不足を解消するため、長年第三滑走路建設の計画が進められてきましたが、ロンドン西部の住宅密集地に近接しているため、騒音問題や環境問題を理由に激しい反対運動が起こり、計画は何度も頓挫と再燃を繰り返しています。
ヒースローの未来は、この拡張計画の行方にかかっていると言っても過言ではありません。
ヒースロー空港は、単に巨大なだけでなく、効率的なターミナル運用、世界を繋ぐネットワーク、そして常に進化するアクセスで、ロンドンの活力を象徴しています。
しかし、その背後には、都市の成長とインフラの限界という、難しい課題も抱えています。この課題にどう立ち向かうかこそが、ヒースローがこれからも世界のトップハブであり続けるための鍵となるでしょう。
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