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🚨 はじめに — なぜ北海道の鉄道は苦境なのか

広大な土地、人口の減少、豪雪や厳冬など 地理的ハンディキャップを抱える北海道。そんな地で、JR北海道は「地域の足」であると同時に、“維持すれば赤字体質の袋小路” に立たされています。

  • 2024年度の線区別収支報告では、すべての線区で赤字、つまり 黒字路線は「ゼロ」 と発表されています。
  • 2025年11月時点で、グループ全体の中間決算は赤字 — 約 150億円の赤字 が報じられました。

このように、JR北海道の鉄道網は「維持のためには補助・外部支援が不可避」という構造にあり、将来が不透明なのです。


📊 どの路線がどれだけ赤字か — 公表データからわかること

✔ 全体としては「全線赤字」状態

2023年度の線区別収支(JR北海道公表)によると、すべての線区が営業損益で赤字とされています。つまり、単純に「黒字路線あり」といった救済余地は、現時点では確認されていません。

✔ 特に赤字が大きい区間の例

  • 北海道新幹線(新青森〜新函館北斗):最も赤字幅の大きい線区とされており、新幹線でありながら赤字という“逆説”。
  • 函館本線(函館〜長万部区間):数十億円規模の赤字。
  • 根室本線、および石勝線〜根室本線経由など、道東方面を結ぶ線区:人口希薄地域かつ旅客減少で、経営負担が大きいとされる。

✔ 赤字の「度合い」を示す指標として:営業係数

鉄道では、営業収入に対してどれだけコスト(運営費・維持費など)がかかっているかを示す 営業係数 が重要です。100 を超えると赤字、数値が高いほど「コスパが悪い」とされます。

例えば、ある報道によれば、札幌圏の幹線を除くローカル線の多くが 営業係数で1,000を超える “典型的な赤字線区”

一例として、2023年度の札幌圏(幹線以外)では「営業係数が約 107」、つまり“もう少し改善すれば黒字化の可能性もある”水準との見方も報告されています。
しかし赤字額そのものは大きく、たとえば根室本線(富良野〜新得間 廃止区間)は営業係数「約1,784」、収支回復の見込みはほぼないと判断されています。


⚠ なぜ「黒字路線ゼロ」なのか?背景にある構造的問題

・人口減少・過疎化による輸送需要の減

北海道では、人口が都市部に集中し、過疎地ではさらに減少傾向。輸送密度(乗客数/営業キロ)が低下し、乗客数だけでは維持できない線区が多数。

・維持費・施設更新コストの増大

冬季の除雪、線路・橋梁の老朽化、気象対策など、鉄道維持のコストが高い。特に北海道のような気候・地形条件では、鉄道の維持に多額のコストが必要。

・収入構造の偏り

札幌近郊など利用の多い区間に収入が偏る一方、地方部は維持困難。つまり「部分黒字で全体を補う」構造が成立しづらい。

・公共交通としての限界

自動車やバスへの転換、人口減少、移動手段の分散――鉄道を必要とする人の絶対数が減っている現実。


🔮 将来予測 — どこまで廃線が進むか(私見を含む)

JR北海道や北海道庁は、2016年に「単独では維持困難な線区」を複数公表し、沿線自治体と協議を行ってきました。

▶ 可能性が高いのは「黄線区」と呼ばれる低輸送密度路線

たとえば、以下のような路線は廃線または第三セクター転換の可能性が高いと見られています:

  • 宗谷本線(名寄〜稚内間)
  • 石北本線、釧網線、根室本線(人口希薄の道東・北部地域)
  • 留萌本線、富良野線、さらにかつての札沼線 など、地域のローカル線

実際、2023–2024年頃から 駅や区間の廃止・バス転換の動きが活発化しており、今後5〜10年で「ネットワークの大幅縮小」が進む可能性は高いと考えます。

▶ 青写真としては「札幌圏を中心に幹線・通勤路線を維持。その他は縮小または撤退」

つまり、北海道の鉄道は「スリム化と選択と集中」の局面に入る――というのが私の予測です。

ただし、地域公共交通としての使命、観光資源との連携(観光列車、地域振興)、自治体との協力などで、**存続の道を探る”第三の道”**が模索される可能性も残っています。


✅ まとめ — 北海道の鉄道が直面する現実と選択肢

  • JR北海道は全線区で赤字。黒字路線は存在せず。
  • 特に新幹線や道東・道北のローカル線で赤字幅が大きく、維持の限界が指摘されている。
  • 背景には人口減少、利用者減、維持コストの増大など構造的な問題がある。
  • 将来的には、多くのローカル線が廃止・バス転換・第三セクター化の対象となる可能性が高い。
  • 一方で、札幌近郊や空港アクセス線、観光列車など「ニーズが見込める路線」による再編で、生き残りを図る余地もある。

北海道の鉄道は、“過去のインフラ”ではなく、“地域の未来をつなぐ公共交通”として残すのか、それとも“コストのかかる遺産”として整理するのか――今まさに岐路にあるといえるでしょう。

Post date : 2025.12.14 10:52