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JR別にここまで違う!無人駅のリアルな扱われ方

「無人駅が廃止される」というニュースを聞くと、
多くの人はこう思う。

もう誰も使っていないから仕方ない
地方だから切られたんだろう

だが実際には、
無人駅の運命は“利用者数”だけでは決まらない。

同じ無人駅でも、

  • 残される地域
  • 容赦なく消えていく地域

が、JR会社ごとに驚くほど違う。

今回は、
JR北海道・東日本・東海・西日本・九州・四国
それぞれの「無人駅の扱い」を比較しながら、

なぜここまで差が出るのか?

を、構造的に解説する。


結論を先に

無人駅の命運を分ける3つの要素

まず結論から。

無人駅が残るかどうかは、主に次の3点で決まる。

  1. 会社全体の体力(都市部の黒字)
  2. 路線が“生きている”かどうか
  3. 無人駅を残すコストの重さ

これを踏まえて、JR各社を見ていこう。


JR北海道

無人駅が「真っ先に消える」理由

JR北海道では、

  • 無人駅の廃止
  • さらには路線そのものの廃止

が、全国で最も多い。

特徴

  • 無人駅どころか路線全体が赤字
  • 冬季の保守・除雪コストが非常に高い
  • 都市部の黒字で地方を支える構造が弱い

つまり、

無人駅=象徴
問題は「会社が持たない」

という状況だ。

北海道では、
無人駅を残す余力そのものがない


JR東日本

無人駅は「条件付きで残る」

JR東日本は、非常にバランスが特殊だ。

特徴

  • 首都圏に巨大な黒字路線を持つ
  • 一方で、東北・信越・房総などは厳しい

そのため、

  • 都市近郊の無人駅 → 残りやすい
  • 超過疎地・災害区間 → 廃止されやすい

という、選別型の対応を取っている。

JR東日本は、

無人駅を感情で守らない
しかし、切る時も段階的

という印象が強い。


JR東海

無人駅は「極端に少ない」

JR東海は、そもそも無人駅の存在感が薄い。

特徴

  • 東海道新幹線という圧倒的ドル箱
  • 在来線も比較的利用密度が高い
  • 赤字ローカル線が少ない

結果として、

無人駅が問題になる前に、
路線自体が整理されてきた

とも言える。

JR東海では、

  • 無人駅を「どう残すか」より
  • 「問題にならない構造」を作ってきた

という会社だ。


JR西日本

無人駅は「会社全体で抱える」

JR西日本は、無人駅が意外なほど残っている

特徴

  • 京阪神・新快速・山陽新幹線の強さ
  • 雪害が少なく維持コストが低い
  • 路線単位では赤字でも、会社全体で吸収可能

そのため、

利用者が少なくても
無人駅はすぐには切られない

「残すことが可能だから残す」
非常に現実的な判断だ。


JR九州

無人駅は「観光資源」に変わることも

JR九州は、他社とは少し違う戦い方をしている。

特徴

  • 鉄道単体では赤字路線が多い
  • その代わり、観光・不動産・デザイン戦略が強い

結果、

  • 無人駅をリノベーション
  • 観光列車の停車駅として活用
  • 地域と一体で維持

といった、

無人駅=使い道を変えて生かす

というアプローチが目立つ。


JR四国

無人駅は「廃止できない」事情もある

JR四国は、構造的に最も厳しい。

特徴

  • 全社的に赤字
  • 代替交通が乏しい地域が多い
  • 廃止すると生活インフラが崩壊するケースも

そのため、

本当は厳しい
でも簡単には廃止できない

という、綱渡り状態で無人駅が残っている。


JR別・無人駅の扱いまとめ

JR無人駅の扱い
北海道真っ先に廃止対象
東日本条件付きで残す
東海そもそも問題化しにくい
西日本会社全体で抱える
九州観光・再生で生かす
四国廃止したくても難しい

無人駅は「地方の縮図」

無人駅の違いは、
そのまま 地域と鉄道会社の体力差 を映している。

無人駅が残るから良い、
廃止されるから悪い、ではない。

残せる構造があるかどうか

それがすべてだ。

次に無人駅のニュースを見たら、
ぜひこう考えてみてほしい。

この駅は、
どんな会社と、どんな地域に支えられていたのか?

そこまで見えると、
鉄道の未来が、少し立体的に見えてくる。

Post date : 2025.12.17 23:55