主に旅について、それから色々
「最近、航空機の型式認証がやけに遅い」
「FAAが慎重すぎるせいで、新型機がなかなか飛ばない」
航空業界を追っていると、そんな声をよく耳にします。
では本当に、FAA(米国連邦航空局)は“厳しくなりすぎた”のでしょうか?
そもそも、FAAの技術基準とは何を根拠に作られているのでしょうか?
今回は、
FAAの認証基準の成り立ちと、なぜ近年ここまで厳格になったのかを、制度の中身から丁寧に解説します。
FAA(Federal Aviation Administration)は、
です。
アメリカの航空機は、世界中を飛びます。
つまり、FAAの判断ひとつがグローバル標準になってしまう影響力を持っています。
ここが重要なポイントです。
FAAの認証基準は、
だけで決まっているわけではありません。
FAAは、
に基づいて動いています。
代表的なのが、
これらは法令であり、FAAが勝手に緩めることはできません。
FAAはゼロからすべてを考えているわけではありません。
実際には、
と連携しながら、
を積み上げています。
ただし最終判断は、必ずFAAが行う。
ここが民間規格(ISOやSAE)との決定的な違いです。
近年の厳格化を理解するには、過去の反省を避けて通れません。
FAAは人手不足を補うため、
ODA(Organization Designation Authorization)制度を導入しました。
効率は上がりましたが、
結果として「メーカー自己認証」に近い状態が生まれました。
737 MAXの連続事故は、
すべてに問題があることを露呈しました。
特に問題視されたのが、
という点です。
事故後、FAAは明確に方針転換しました。
単一装置ではなく、
を含めた統合的安全評価を重視。
従来は、
が中心でしたが、現在は、
まで含めた評価が求められます。
「委任=丸投げ」ではなく、
する方向に変わりました。
理由は単純です。
つまり、
「安全側に倒れる」判断を、あえて選んでいる
のです。
結論として、FAAの基準は、
という思想に置かれています。
これは、
とも共通する、現代安全工学の到達点です。
FAAは「昔が甘すぎた」ことを認め、
本来あるべき姿に戻った
と言う方が正確でしょう。
認証が遅いのは不便です。
しかしその裏側には、
という、極めて重い覚悟があります。
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