むるむる ブログ

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次のダイヤ改正で何が起きるのか、そして“フレキシブル運行”ができない本当の理由

「またダイヤ改正か」
毎年この時期になると、鉄道ファンだけでなく通勤・通学利用者からも、そんな声が聞こえてきます。

なぜJRは毎年のようにダイヤ改正を行うのか
そもそも、ダイヤ改正は本当に必要なのか
そして最近よく聞く
「オンデマンド運行」
「フレキシブルダイヤ」
は、なぜ鉄道では実現しないのでしょうか?

今回は、次のJRダイヤ改正を入り口に、
鉄道という巨大システムが持つ“変えられない構造”を、できるだけわかりやすく解説します。


そもそも「ダイヤ改正」とは何をしているのか?

ダイヤ改正というと、

  • 新しい列車が増える
  • 速達列車ができる
  • 終電が早くなる/遅くなる

といった表面的な変化に目が行きがちです。

しかし実際は、それだけではありません。

ダイヤ改正で調整されているもの

  • 列車本数と時刻
  • 車両の運用(どの編成がどこを走るか)
  • 乗務員の勤務計画(法令順守)
  • 保守作業の時間帯
  • 他社線・他路線との接続

つまりダイヤ改正とは、

列車・人・設備・時間を、1年分まとめて再設計する作業

なのです。


なぜ「定期的な改正」が必要なのか?

理由① 需要が常に変化するから

鉄道の需要は、実は毎年変わっています。

  • 人口減少
  • テレワークの定着
  • 大学キャンパス移転
  • 大規模商業施設の開業・閉店
  • 観光需要の変動

特に近年は、コロナ以降の需要変化が激しく、
「コロナ前のダイヤをそのまま維持する」こと自体が不可能になりました。


理由② 車両と人の“限界”があるから

列車は、無限に増やせるわけではありません。

  • 車両数は決まっている
  • 乗務員の人数も有限
  • 労働時間には厳しい制限がある

需要が減った路線で列車を減らさなければ、
別の路線で必要な列車を増やせません。

ダイヤ改正は、

限られたリソースを、どこにどう再配分するか

という、極めて現実的な経営判断でもあるのです。


次のダイヤ改正で起きがちな変化

最近のJR各社の傾向を見ると、共通点があります。

① 日中時間帯の減便

  • 利用者が戻りきらない
  • 車両・人員をラッシュに集中させたい

② 終電の繰り上げ

  • 深夜需要の回復が弱い
  • 保守時間の確保

③ 観光列車・特急の再編

  • インバウンド対応
  • 収益性の高い列車への集中投資

「不便になった」と感じる一方で、
**鉄道会社としては“生き残るための改正”**でもあります。


なぜフレキシブルダイヤは組めないのか?

ここからが本題です。

「混んでたら増発、空いてたら減便すればいいのでは?」
という疑問は、非常に自然です。

しかし鉄道では、これがほぼ不可能です。


理由① ダイヤは“一本の線”ではない

鉄道ダイヤは、

  • 単一路線
  • 単一会社

だけで完結していません。

1本の列車が動くと、

  • 反対方向の列車
  • 接続列車
  • 車両の折り返し
  • 乗務員交代

すべてに影響が出ます。

1本を変える=全体を変える
これが鉄道ダイヤの本質です。


理由② 保安・安全が最優先だから

鉄道は「公共交通」であると同時に、

安全規制産業

です。

  • 信号システム
  • 閉塞区間
  • 保安装置
  • 法令で定められた運転条件

これらは「即時変更」を前提に作られていません。

バスやタクシーのような柔軟さを求めると、
安全性が成立しなくなります。


理由③ 人が動かせない

オンデマンド運行最大の壁は、です。

  • 運転士
  • 車掌
  • 指令員
  • 保守要員

これらはすべて資格職であり、
「今から増やす」「今から減らす」ができません。


オンデマンド鉄道は将来可能なのか?

結論から言うと、

  • 都市鉄道ではほぼ不可能
  • 地方ローカル線では限定的に可能

です。

実際に、

  • デマンドバス
  • デマンドタクシー
  • 一部ローカル線の予約制列車

といった形で、鉄道以外に置き換えが進んでいます。

これは「技術がないから」ではなく、

鉄道という仕組みが、オンデマンドと相性が悪い

からです。


ダイヤ改正は「衰退」ではなく「適応」

ダイヤ改正=縮小
と感じる人は多いでしょう。

しかし見方を変えれば、

  • 無理な維持をやめ
  • 現実に合わせて形を変え
  • 次の世代につなぐための再設計

とも言えます。


まとめ:ダイヤ改正は、鉄道が生き延びるための“答え”

鉄道は、自由度の低い乗り物です。
だからこそ、

  • 安全で
  • 正確で
  • 大量輸送ができる

という強みがあります。

毎年のダイヤ改正は、

鉄道という不器用なインフラが、必死に時代に追いつこうとしている証拠

なのかもしれません。

「なぜ変わるのか?」を知ると、
次のダイヤ改正の見え方も、少し変わるはずです。

Post date : 2026.01.05 11:47