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「中国は航空大国」 「国内線の規模は世界最大級」

これは事実だ。

だが同時に、

中国の航空会社は、 規模のわりに儲かっていない

という、少し奇妙な状況にある。

本記事では、

  • 中国の航空業界は今どうなっているのか
  • なぜ巨大なのに苦しいのか
  • 他国と何が決定的に違うのか

を、政治・制度・経済構造の視点から解きほぐす。


結論:中国の航空業界は「市場」ではなく「国家装置」

最初に結論を言う。

中国の航空業界は、 利益最大化産業ではなく、 国家運営のインフラである。

この前提を理解しないと、 中国の航空ニュースはすべて誤読する。


中国の航空業界、規模はどれほど大きいのか

  • 国内線旅客数:世界最大級
  • 空港建設数:世界トップ
  • 航空機発注数:常に世界最大規模

都市間移動の主役は、

鉄道ではなく「航空」

という距離感の国である。


中国の「三大航空会社」

中国の航空業界は、 事実上この3社が中核を担う。

中国国際航空(Air China)

  • 事実上のフラッグキャリア
  • 北京拠点
  • 国際線と政治路線を担当

中国東方航空(China Eastern)

  • 上海拠点
  • 商業・国際ビジネス色が強い

中国南方航空(China Southern)

  • 広州拠点
  • 国内線と地方ネットワークの要

👉 いずれも国有企業である。


なぜ中国ではLCCが育ちにくいのか

中国にも

  • Spring Airlines(春秋航空)

などLCCは存在する。

しかし、

ライアンエアやAirAsiaのようにはなれない

理由がある。


理由① 発着枠と運賃が国家管理

  • スロット配分
  • 運賃の上限・下限

が、 市場ではなく行政判断で決まる。

価格破壊が起きにくい。


理由② 空港が”地方振興装置”

空港は

  • 採算
  • 効率

よりも、

地方開発・雇用

が優先される。

LCC向けの「安い空港」が成立しにくい。


理由③ 競争より安定

  • 倒産は政治的に好まれない
  • 赤字でも路線維持

結果、

過当競争にならない


中国の航空会社が儲からない構造

① 過剰投資

  • 空港
  • 機材

が常に先行する。

需要よりも

「将来の国家計画」

が優先される。


② 路線は政治案件

  • 地方都市への直行便
  • 国策路線

利益より

均衡発展

が重視される。


③ 為替と燃料

  • 外貨建て機材
  • 人民元安

は、 慢性的な圧迫要因。


国際線が弱体化した理由

コロナ以降、 中国の国際線は回復が遅れている。

理由は、

  • ビザ政策
  • 国際関係
  • 航空協定

すべてが政治判断と直結しているからだ。


中国製旅客機C919の意味

C919は、

航空機というより 国家主権プロジェクト

である。

  • 技術自立
  • 制裁耐性
  • 象徴性

採算は二の次だ。


日本人旅行者にとっての中国航空

安全性や運航品質は、

概ね国際基準に準拠

している。

ただし、

  • 遅延
  • 欠航
  • ルール変更

は、 日本より「行政色」が強い。


まとめ:中国の航空業界は「成長」ではなく「統治」

中国の航空業界は、

  • 利益
  • 競争
  • 効率

よりも、

国家統治・領土統合・経済管理

の道具として設計されている。

だから、

  • 巨大だが脆い
  • 速いが重い
  • 進むが自由ではない

という矛盾を抱える。

中国の航空会社を見るときは、

「航空ビジネス」ではなく 「国家の設計図」

として眺めると、 驚くほど理解しやすくなる。

Post date : 2026.02.09 10:24