むるむる ブログ

主に旅について、それから色々

AD

1. 旅の始まりは「超絶ローカル線のターミナル」から

「鉄道でしか行けない場所」に惹かれる人へ。今、この超ローカル線に乗らずして、日本のローカル線を語ることはできません。

今回、私が乗り通したのは、中国山地を貫くJR木次線(きすきせん)です。旅の始まりは、かつては賑わったターミナル駅でありながら、今は中国山地の山奥にある無人駅となってしまった備後落合駅[00:14]。

この駅でわずかな乗り換え客が賑わった後[07:55]、静かに列車は発車します。この先には、自動車では味わえない鉄道技術の粋と、息を呑むほどの奥出雲の絶景が待っています。

断言します。これは「今乗っておかないと後悔する路線」[17:22]です。

2. 【鉄道マニア垂涎】JR西日本最高所駅と運転士さんの丁寧すぎる案内

木次線の旅で最初に到達するクライマックスが、三井野原駅です。

ここはなんと、JR西日本で一番標高の高い駅(標高726m!)[21:20]。山深い秘境の旅で、こんな称号を持つ駅に降り立つだけでテンションが上がります。

この駅を出ると、列車はすぐにトンネルに入ります。そして、トンネルを抜けた瞬間、車内放送が流れます。

「どうぞ進行方向左手をご覧ください!木次線で一番の見どころであります、オロチループ橋と赤い三井野大橋が一望できます!」[22:02]

運転士さん(車掌さん)が、乗客のためにカメラを構える準備まで促してくれる[22:35]という、観光列車顔負けのホスピタリティ!これぞローカル線の温かさです。

実際にこの時、車窓からは国土交通省が誇る巨大な「出雲おろちループ」[25:26]が、まるで自分が空中を滑空しているかのような、壮大なスケールで見下ろせます。この景色は、**鉄道ならではの「最高の立ち位置」**からしか見られません。

3. 【日本唯一の技術】進行方向が3回変わる「三段式スイッチバック」を体感せよ!

そして、木次線の真のハイライトが、この直後に待っています。それが出雲坂根駅周辺の**「三段式スイッチバック」**です。

これは、急勾配を上り下りするために、ジグザグと列車が進行方向を変えるという、非常に珍しい仕組み[26:17]。

  1. 列車は一旦、出雲坂根駅の手前でポイントを通過して停止[36:06]。
  2. 運転士さんが運転台を移動し、逆向きに後退して2段目の線路へ。
  3. 出雲坂根駅に到着[01:00:10]。
  4. 駅で再び運転台を移動し、元の進行方向に戻って次の駅へ。

たった1つの駅に到着するために、進行方向が3回も変わる![58:34] 車輪のきしむ音、運転士さんの準備の様子、そして山奥で起こるこのドラマチックな動きは、乗客の特権です。

駅に降り立つと、錆びた線路がこの駅の先に何も続かないことを物語っており[01:00:40]、そのノスタルジーに胸を打たれます。

4. まとめ:なぜ今、この路線に乗るべきなのか

木次線の区間によっては、車ならわずか5分で移動できる区間を、鉄道は17分かけて遠回りして走ります[28:35]。利便性では車に敵いません。

しかし、この17分間には、「オロチループの絶景」と「3段スイッチバックの感動」という、車では絶対に味わえないプライスレスな体験が詰まっています。

山陰の夜、終点の宍道駅で迎えてくれたのは、東京へ向かう**「特急サンライズ出雲」**[01:30:30]!この旅の終わりにふさわしい、最高のボーナスでした。

ぜひ、このロマンと技術の結晶である木次線に、路線が観光資源として利用されなくなる前に乗車してみてください。

この旅の全貌は、以下の動画で臨場感たっぷりにご覧いただけます!

【動画はこちら】木次線 乗り通してみた。

http://www.youtube.com/watch?v=6clOHYKtPvQ

Post date : 2025.10.30 18:09