むるむる ブログ

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実は“本人確認”の精度に直結する話。

パスポートを申請するとき、よく言われる注意事項があります。
それが、

「眼鏡はできるだけ外してください」

というもの。

「いつも眼鏡をかけているのに?」
「外す必要ある?」
そう思った方も多いのではないでしょうか。

実はこれ、単なる見た目の問題ではありません。
パスポートという“世界共通の本人確認書類”の性質上、かなり合理的な理由があるのです。


パスポート写真は「顔写真」ではなく「生体情報」

まず大前提として、パスポート写真は
記念写真でも、身分証用の顔写真でもありません。

正体はこれです👇

顔認証(バイオメトリクス)のための基礎データ

現在の日本のパスポートは ICチップ入り(eパスポート) で、

  • 顔の形状
  • 目・鼻・口の位置関係
  • 輪郭や比率

といった情報が、機械で読み取られる前提で使われています。


眼鏡があると、何が問題になるのか?

① フレームが「顔の特徴」を隠す

眼鏡のフレームは、

  • 目の位置
  • 眉の形
  • 鼻筋のライン

といった、顔認証で重要なポイントを物理的に隠します。

人間の目なら補正できますが、
機械は「隠れている=存在しない」と判断します。


② レンズの反射・歪みが致命的

特に問題になるのが、

  • レンズの反射
  • 度付きレンズによる歪み
  • ブルーライトカットの色味

これらは、空港の入国審査で使われる
自動化ゲート(顔認証)にとって大敵です。

👉
「本人なのに、本人と認識されない」
というトラブルの原因になります。


③ 国際基準(ICAO)が非常に厳しい

パスポートは、日本国内だけでなく、
世界中で通用する書類です。

そのため、日本独自のルールではなく、

  • ICAO(国際民間航空機関)
  • 各国の入国管理システム

が前提にしている 国際基準 に合わせる必要があります。

この基準では、

  • 目が完全に見えること
  • フレームや影で顔が隠れないこと
  • 反射がないこと

が強く求められています。


「じゃあ眼鏡OK」な場合もある?

一応、条件付きで眼鏡可とされています。

ただし👇

  • フレームが極端に細い
  • レンズに反射・色付きがない
  • 目・眉・輪郭が完全に見える

という、かなり厳しい条件をクリアする必要があります。

実務上は、

「外したほうが確実」

という判断になります。


実は、将来もっと厳しくなる可能性も

今後、世界の入国審査はさらに

  • 自動化
  • AI顔認証
  • 非接触・高速化

が進むと考えられています。

そうなると、

  • 眼鏡
  • マスク
  • 髪で顔が隠れる写真

は、ますます不利になります。

つまり、

眼鏡を外した写真は
「将来に対する保険」

でもあるのです。


まとめ:眼鏡を外すのは「面倒」ではなく「合理的」

パスポート写真で眼鏡を外す理由は、

  • 見た目の問題ではない
  • 役所の融通のなさでもない

本質はこれ👇

世界中の機械が、あなたを正しく“あなた”と認識するため

です。

ほんの数分の手間で、

  • 入国審査がスムーズになり
  • トラブルを避けられ
  • 10年使うパスポートの信頼性が上がる

と思えば、
外して撮る価値は十分にあります。

Post date : 2025.12.24 16:08