主に旅について、それから色々
アメリカの3大航空会社――
ユナイテッド航空、アメリカン航空、デルタ航空。
同じアメリカ企業でありながら、
アジア戦略を見ると、その拠点選びは大きく分かれています。
なぜ、ここまで差がついたのでしょうか。
そこには、歴史・地政学・提携関係・空港政策が複雑に絡んでいます。
まず押さえるべきは、成田空港の歴史的役割です。
成田は、単なる日本の国際空港ではありませんでした。
冷戦期以降、成田は実質的に
アメリカ航空会社にとっての“アジアの前線基地”
という役割を担ってきました。
理由はシンプルです。
このため、成田を拠点に
といった、アジア域内路線をアメリカ航空会社が自由に飛ばすことができました。
ユナイテッド航空は、3社の中で最も早くからアジアに深く入り込んだ会社です。
特に大きいのが、ANAとの関係です。
ユナイテッドにとって成田・羽田は、
単独ハブではなく、ANAと一体化した巨大ネットワークの一部
なのです。
そのため、
という、独特の立ち位置にあります。
アメリカン航空もかつては、成田を強く使っていました。
しかし、次第に事情が変わります。
結果として、アメリカンは
成田=日本向け拠点
という位置づけに縮小していきました。
一方、デルタ航空は明確に別の道を選びました。
デルタが仁川を使う理由は、
ノースウエスト航空の遺産にあります。
ノースウエスト航空は、かつて
していました。
しかし、韓国はここで一歩先を行きます。
この思想は、ノースウエスト → デルタへと引き継がれました。
デルタが日本を避けた理由は、はっきりしています。
一方、韓国は
デルタにとって仁川は、
アメリカ式ハブ運営が最もやりやすい場所
だったのです。
ここで整理すると、両空港の違いはこうなります。
| 視点 | 成田 | 仁川 |
|---|---|---|
| 主目的 | 日本への玄関 | 世界の乗り継ぎ |
| 国家関与 | 控えめ | 非常に強い |
| 運用時間 | 制約あり | ほぼ24時間 |
| ハブ思想 | 国内重視 | トランジット特化 |
デルタは「空港の思想」を選び、
ユナイテッドとアメリカンは「市場」を選んだ。
この差が、戦略の分岐点でした。
同じアメリカの航空会社でも、
「どこを拠点に世界を見るか」で、これほど戦略は変わります。
そしてそれは、
成田と仁川という2つの空港の思想の違いを、
最も分かりやすく映し出しているのです。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
|---|---|---|---|---|---|---|
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| 15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
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