むるむる ブログ

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徳島といえば、鉄道好きなら一度は聞いたことがあるあのフレーズが浮かびます。

「徳島県には電車が走っていない」

架線のない県。全列車がディーゼルカー。そんな話を聞けば、駅のイメージもどこか「もっさり」した、いかにもローカルな雰囲気を想像してしまいます。筆者もそのひとりでした。ところが実際に徳島駅に降り立ってみると、そのイメージは正面からあっさり裏切られ、そして改札を通った瞬間に、今度は別の意味で大きく裏切られることになりました。


改札の外:普通に、普通の駅だった

正面から駅に近づくと、まず目に入るのは「クレメントプラザ」という駅ビルです。ホテルと商業施設が一体化した、なかなか立派な構えです。中に入れば、スターバックス、サイゼリヤ、各種土産物店、地下には飲食店フロアと、地方県庁所在地の駅ビルとして十分すぎるくらいの顔ぶれが揃っています。

「電車のない県の駅」と聞いて身構えていた筆者には、ある種の拍子抜けでした。いい意味で。「ちょっと都会」という感じ。徳島市は人口約25万人の県庁所在地であり、駅もちゃんとその規模に見合った顔をしているのです。

そして改札口。自動改札機があります。これが実は、かなり新しい出来事です。

徳島駅に自動改札機が導入されたのは2026年6月13日のこと。この日をもって、全国47都道府県すべての駅に自動改札機が設置されたことになります。つまり徳島駅は、日本で最後に自動改札機が導入された都道府県の代表駅として、鉄道史にその名を刻んだわけです。

ここで小ネタを一つ。自動改札が入ったとはいえ、徳島駅では現在もICカード(交通系IC)が使えません。Suicaもイコカも非対応。きっぷを買って、自動改札を通るという、なんとも昭和スタイルのまま近代化が進んでいます。
スマホアプリ「しこくスマートえきちゃん(スマえき)」のQRコード乗車券には対応しているので、進んでいるといえば進んでいる自動改札ではあります。


改札の中:時代が止まっていた

さて、自動改札を抜けてホームへ。

その瞬間、空気が変わります。

一言で言うと、昭和です。

頭上を見ても、架線がありません。電車が走らないのだから当然なのですが、大阪の駅に慣れた目には、その「何もない空」が妙に広く、妙に静かに見えます。ホームに停まっているのはすべてディーゼルカー。エンジン音がして、排気の匂いがする。それだけで、どこか別の時代に来たような感覚があります。

駅の構造は2面4線。正確には、島式ホーム1面と単式ホーム1面の組み合わせで、改札から左へ歩いていくとその先にもう一本ホームがあります。「2面3線」に見えて実は4番のりばまである、という構成です。のりばの番号は切欠きホームの1番から順に振られており、この少し「変則的」な構造もどこかローカル線らしい。

2番ホームの端には、「麺家れもん」という駅そば屋さんがあります。メニューは地元の名物・祖谷そば。営業は平日の昼食時間帯のみというところも、いかにも昭和の駅そばらしい。食べられたらラッキー、食べられなくても雰囲気だけで十分、というお店です。残念ながら、14時までの営業時間に阻まれ、私はこのお店で食べる事ができませんでした。もうちょっと早くホームに入っていればなぁ。次に機会があれば、ぜひここで祖谷そばを食べてみたいと思います。

ホームから奥を眺めると、4番のりばの北側に広がる徳島運転所が見えます。約2.7ヘクタールの車両基地です。ディーゼルカーが何両も並んでいる。架線がない。信号機と線路だけがある。この光景が、Nゲージのジオラマで見たような、懐かしいローカル線の操車場そのままで、しばらく眺めていても飽きませんでした。

大阪にいると、こういう景色にはまず出会えません。電化・高架・自動化が進んだ都市鉄道では、「何もない空」も「ディーゼルの匂い」も、すでに絶滅危惧種です。


徳島駅の「二面性」が、この駅の魅力かもしれない

駅ビルに入ったとき:「ちょっと都会やないかい」

改札を抜けたとき:「まさに昭和やないか!」

このギャップが、徳島駅の一番の魅力だと思います。

改札の外と内で、あれだけ空気感が変わる駅は、そうそうありません。駅ビルだけ見れば高松や松山に引けを取らない。でも一歩ホームに出れば、架線のない空、ディーゼルカー、祖谷そばの店、奥に広がる操車場。そこには「電車のない県」が積み上げてきた、独特の時間が流れています。

旅好きの人間にとって、このギャップはたまらない。観光地よりも、駅そのものが「見どころ」になっている、そういう駅です。


徳島駅の基本情報

項目内容
所在地徳島県徳島市寺島本町西一丁目
開業1899年(明治32年)2月16日
乗り入れ路線高徳線・徳島線・牟岐線
ホーム構造2面4線(地上駅)
自動改札あり(2026年6月13日導入)
ICカード非対応
駅ビル徳島クレメントプラザ(スタバ・サイゼリヤほか)
構内の飲食麺家れもん(祖谷そば/平日昼のみ)

徳島駅に行くなら、このきっぷがおすすめ

高松方面から徳島を訪れるなら、特急うずしおの割引きっぷが便利です。また、高速バスや南海フェリー経由のルートも選択肢として検討してみてください。

旅のお供として、以下のようなグッズも参考にどうぞ。

四国旅行ガイドブック

徳島・高松・高知・松山と四国をまるごと回るなら、一冊手元にあると心強い。移動中に次の目的地を調べる時間も旅の楽しみです。

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コンパクトなサブバッグ

駅ビルで土産を買ったり、少し街歩きをしたりと、徳島駅周辺は意外と動き回れます。持ち運びに便利なバッグを使うと、行動範囲が広がります。

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まとめ

「電車のない県」の代表駅、徳島駅。外から見れば普通の駅ビル、改札を抜ければ昭和のローカル駅という、この二面性がたまらない。観光地としての徳島も面白いですが、駅そのものを目的に行く価値がある場所だと思います。

架線のない空の下、ディーゼルカーが発車していく景色。大阪ではもう味わえない、その空気を一度体験しに行ってみてください。

※掲載情報は訪問時点のものです。営業時間・設備等は変更される場合がありますので、お出かけ前に最新情報をご確認ください。

Post date : 2026.08.03 11:24