主に旅について、それから色々
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特急しおかぜ3号で、松山駅に到着しました。四国最大級の都市・松山。実は以前にも何度か来たことがあるのですが、改めて考えると、いずれも車かバスで来ていました。
鉄道で松山に来るのは、これが初めてです。そして当然、松山駅のホームに立つのも、初めてのことでした。
松山駅は、高架化された近代的な駅です。ホームは高い位置にあり、明るく開放的。徳島駅の昭和感あふれる地上ホームとは対照的な、スッキリとした近代的な造りです。
ところが、駅の外に出ると——東側も西側も、更地が広がっています。
これには理由があります。JR松山駅は2024年に高架化が完成したばかりで、それに伴い旧駅舎や旧線路跡地の解体・撤去が進み、周辺一帯が再開発エリアとなっています。2026年3月には松山市が「松山駅周辺まちづくりプラン」を正式発表しており、駅ビル・アリーナ・ホテル・商業施設の整備が計画されています。
つまり、今の松山駅周辺は「完成形」ではなく、大規模再開発の真っ只中という状態です。旧松山駅舎の解体も進み、アンダーパスの埋め戻し工事、駅東側の道路拡幅工事など、複数の工事が同時並行で進んでいます。
今後の完成イメージを見ると、将来的にはかなり賑やかな駅前になりそうです。しかし2026年7月時点の松山駅前は、率直にいって「何もない」状態でした。駅ビルもなし、飲食店もなし、土産物店もなし。きれいな高架駅のすぐ外が、ただっ広い更地。
再開発中の駅周辺というのは、どこでもそういうものですが、四国最大都市の玄関口がこの状態というのは、少し拍子抜けでした。
ここで松山という都市の、ちょっと独特な構造を理解する必要があります。
松山には、「JR松山駅」と「松山市駅(伊予鉄道)」という、2つの”松山の駅”が存在します。そしてこの2つの駅は、別々の場所にあります。
繁華街はどちらかというと——JR松山駅ではなく、伊予鉄の松山市駅の方に集まっています。
松山市の最大の繁華街は「大街道」と「銀天街」というアーケード商店街で、四国最大の通行量を誇ります。最寄りは伊予鉄道の「大街道駅」や「松山市駅」で、大街道は大正時代初期に形成された歴史ある商店街です。
松山市駅には伊予鉄道の路面電車・郊外電車・バスが集結しており、松山市駅と高島屋・銀天街をつなぐ地下街「まつちかタウン」もあります。屋上に観覧車「くるりん」を持つ複合ビルも市駅前のランドマークです。
つまり、「JR松山駅に着いたから松山に来た」という感覚とは裏腹に、松山の「街の中心」はJR駅から少し離れた場所にあるのです。他の地方都市では「JRの駅前=繁華街」というパターンが多いのですが、松山はそうではない。これが松山駅前の「寂しさ」の正体のひとつです。
松山といえば伊予鉄道。路面電車が市内を縦横に走る、全国でも珍しい路面電車都市です。松山駅前にも伊予鉄の路面電車が通っています。
しかし、JR松山駅前の伊予鉄の停留所は、あくまで「通過点」の雰囲気。再開発中の更地に囲まれた停留所は、やはり活気に乏しく見えます。伊予鉄の賑わいは、松山市駅やその周辺に集中しています。
将来的には松山駅西口から環状道路へと抜ける新しい道路(松山駅西口南江戸線)が整備される計画があり、中央に路面電車の線路を通す構想もありますが、松山市と伊予鉄道との協議が進んでおらず、現時点では線路延伸は未定です。
伊予鉄とJR松山駅がより密接につながる日は、まだ先の話になりそうです。
松山の観光スポットとして真っ先に思い浮かぶのは、やはり道後温泉と松山城です。何度か訪れてはいますが、それ以外の松山を深く探ったことがなかったと、今回改めて気づきました。
道後温泉へは、伊予鉄道の路面電車で行くのが定番ルートです。JR松山駅前から乗って約15〜20分。日本最古の温泉のひとつとして知られ、大街道駅から路面電車に乗って約13分で道後温泉駅に到着します。
松山城は、大街道から徒歩約30分、またはロープウェイでアクセスできる現存12天守のひとつです。加藤嘉明が築いた山城で、天守からの眺望は松山市街と瀬戸内海を一望できます。
この2カ所以外の松山——大街道・銀天街の商店街、坂の上の雲ミュージアム、松山市中心部の下町的な路地など——は、まだまだ探り切れていない部分が多い。松山再訪の理由は、いくらでもありそうです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | 愛媛県松山市南江戸一丁目 |
| 乗り入れ路線 | 予讃線 |
| ホーム構造 | 高架駅(2024年高架化完成) |
| 特急 | しおかぜ・いしづち・宇和海が発着 |
| 駅周辺 | 再開発中(駅ビル・アリーナ等の整備計画あり) |
| 繁華街へのアクセス | 伊予鉄路面電車で松山市駅・大街道方面へ |
| 道後温泉へ | 伊予鉄路面電車で約15〜20分 |
JR松山駅は新しくて立派です。高架ホームは明るく、新幹線の駅のような清潔感があります。でも2026年7月現在、駅を一歩出ると広がるのは再開発中の更地。「四国最大都市の玄関口」という期待値とのギャップに、思わず苦笑いしてしまいます。
ただ、これは「これから」の話です。2026年3月に発表された「松山駅周辺まちづくりプラン」では、駅ビル・アリーナ・ホテル・商業施設の整備が計画されており、松山駅周辺の景色が大きく変わる予定です。完成した暁には、JR松山駅が松山観光の真の玄関口となる日が来るかもしれません。
それまでの間、松山を訪れたらJR駅で降りたあとは伊予鉄の路面電車に乗り換えて、大街道・銀天街・道後温泉・松山城へ向かうのが正解です。JR松山駅は「通過点」として割り切り、次に来る頃には変わっているだろう駅前の景色を楽しみにしながら、市内へ繰り出しましょう。
※掲載情報は2026年7月時点のものです。再開発工事の進捗により、駅周辺の状況は随時変化します。最新情報は松山市・JR四国の公式サイトでご確認ください。
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